腹時計が正確

腹時計が正確な子どもたちと読書にまつわる色々。

悪じい秘剣帖

表紙の絵とメインタイトルが堅苦しいが、サブタイトルの気の抜け具合こそがこのシリーズの本質。文章に若干の堅苦しさを残しつつも軽妙で鮮やかな文体なので読みやすい。最終的にジジ馬鹿に落ち着く流れも楽しい。

 

外孫(息子とその浮気相手の間にできた子)の存在を知った主人公の悪じい(本名は是非書籍でご確認を)。ひと目見て、孫娘の愛らしさに夢中になり、長屋で母ひとり、子ひとりで暮らす孫娘に何かあってはいけないと長屋に通うだけでなく移住までしてしまいには大小の事件を解決する奮闘っぷり描いた時代小説。

 

こんな風に強くてお金も多少出してくれて子守もしてくれるじーちゃんいたら大事にする!と思うのは普段ワンオペだからだろうか。息子の浮気相手の女性もそもそも男を頼るつもりもなくしっかりしていて高感度が高いが、彼女と悪じいの関係が本当にお互い立ち入らず、でも可愛い娘、可愛い孫娘のためには協力する様子が心地いい。

 

最終巻があっという間に幕切れでびっくりするのだが、つい最近「悪じい慈剣帖」として続編が出てホッとした。

 

サラッと読めるので忙しくても割と読みやすい。

 

https://www.amazon.co.jp/じいじだよ-わるじい秘剣帖-双葉文庫-風野-真知雄/dp/4575667226/ref=nodl_